まあるい生活

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読書日記:サスティナブルに暮らしたい(服部 雄一郎・服部 麻子)

2022年初読書は『サスティナブルに暮らしたい』アノマニ・スタジオ

 

 

著者は『ゼロ・ウェイスト・ホーム』や『プラスチック・フリー生活』の翻訳者である服部雄一郎さんと妻の麻子さん。

 

『ゼロ・ウェイスト・ホーム』も『プラスチック・フリー生活』も2021年の夏に読んで非常に刺激を受けた本です。なんでもっと早く読まなかったんだろう、と思うほどでした。

 

その2冊の本を訳した雄一郎さんと、Twitterでお見かけする素敵な暮らしぶりが気になっていた麻子さん。おふたりが交互に文章を書いています。

 

春から準備を始め、秋に2ヵ月かけて行われた西荻アルマカ大作戦を経験し、

首都圏でできるエコ活動とは?サスティナブルな生活とは?と考えてきた2021年。

 

新しく迎える2022年はどのように歩みを進めればいいのか、何かヒントを得られたらと思って年末に購入しました。

 

おふたりが『サスティナブルに暮らしたい』と願って建てた新しい家。

地元産の木材、リサイクルショップで購入したステンレスのシンクなどを活用し、すっきりしたデザインの内装はとても心地良さそうです。

燃やされそうになっていた古い道具たち、太陽熱温水器や自然栽培の畑、洗い物の工夫や排水を濾過する仕組み。

 

賃貸で取り入れるのは難しいものもありますが、プラスチックのないキッチンやシンプルな水回り、ほうきとお茶ガラの掃除、子どもたちとの付き合い方やギフトエコノミーなど、都会にいても見習えることがたくさん紹介されています。

 

何より共感するのが、シェアが豊かさを生むという考え方。そしてお金の使い方。“応援したい人から買う” は私が普段から心がけていることでもあり、この本も著者サイトから購入しています。(もちろん購入者特典映像も魅力的でした。※現在は終了しています。)

 

個人的な話になりますが、私はその場にあるモノで料理するのは得意だけれど、きっちりレシピ通りに作るのが苦手です。そのせいで料理をする機会が多いにも関わらず他人に料理を提供することに自信がなく、内心苦痛に思っていました。

しかし、雄一郎さんの

“「偶然の祝福」から生まれる「必然のお菓子づくり」”

という言葉を目にして、少し救われたような気がします。

 

素材との出会いと、その機会を受け取る自分、食べてくれる他者との組み合わせは一期一会。作って提供する、だけではなく、巡り合わせに祝福を感じ、出会いに幸せを感じるような感覚が持てたら素敵だなと思いました。

 

そして発想力、想像力、芸術的センスが貧困で創造力のカケラも無いところが自分の欠点だと思っていたのですが、麻子さんの、

“「やってみたい」「観てみたい」「感じてみたい」を実現することはすべてクリエイティブといえる” という視点はまさに目から鱗。やってみたいことなら沢山あります!そもそも、サスティナブルな生活にチャレンジしてみたい、と思ってこの本を手に取ったのですから。

 

同じ方向を見ているおふたりだけれど、当然のように個性が違います。お互いを理解し合い、活かし合い、バランスをとっている。そんな2人のパートナーシップと子どもたちとの関係性が、この本のもう一つの魅力ですね。

 

文章だから伝わる部分と動画だからわかる部分があり、本と特典動画の組み合わせはとても良いアイデアだったと思います。Twitterだけでは分からなかった麻子さんのちゃきちゃきした部分が垣間見えて新鮮でした。

 

新年にぴったりな気持ちの良い本でした。

読みたい!を叶えるのも、読書記録もクリエイティブと言えるなら、私の創造力ももっと育てていきたい2022年です。