まあるい生活

コンポストと暮らす

映画『もったいないキッチン』上映会・・わたしにとってのMOTTAINAIとは?

10/30(日)、三鷹の探求学舎さんで行われたドキュメンタリー映画『もったいないキッチン』の上映会に参加してきました。


『もったいないキッチン』は、

“もったいない精神”に魅せられ、オーストリアからやって来た食材救出人で映画監督のダーヴィドがサステナブルな未来のヒントを日本を旅しながら発見する 

というロードムービーです。

2020年8月公開。当時、コロナ大流行中でしたので気になりながらも見損ねていた映画でした。今回、上映会のお話を聞いて嬉しかったのなんの。

www.mottainai-kitchen.net

 

先に制作された『0円キッチン』はオンラインで視聴済みでした。こちらはなんとヨーロッパ5カ国をキッチンカーで巡る旅。

この2つの作品を配給するユナイテッドピープル社は、社会問題を取り上げたドキュメンタリー映画などを主に取り扱い、人と人をつなぎ、世界の問題を解決し、幸せを分かち合える未来を目指しているそうです。『0円キッチン』を見た会社代表の関根健次氏が日本編を作ろうと決めたとのこと。

↓こちらの”プロデューサーからのメッセージ”より。

www.mottainai-kitchen.net

 

『もったいないキッチン』の舞台は日本です。最初から食品ロスに関するジャーナリストとして有名な井出留美さんが登場するなど、文字情報として存じ上げていた方々が続々と映画に現れて親近感が湧きます。田舎のパン屋タルマーリーの渡邉格さん、著作は読んだことがありましたがパンは未体験。食べてみたくなりました。

現在は鳥取の智頭町でパン、クラフト・ビール、ゲストハウスも手掛けられているそう。地域でコミュニティ・コンポストをする計画もあるようです。

www.talmary.com

中でもインパクトが大きかったのが、料理人のソウダルアさん。こちらのインタビューを読むと、土地や食材、人と出会い、まるごと味わい、循環させることまで意識して料理をされる方だということがわかります。

samurai.emiria.jp

note.com

大阪あいりん地区での取材もありました。寄付された食材で料理を作る人がカボチャを手にしています。美しく型抜きされたカボチャ。もちろん寄附されているのは穴が開いた方です。

 

ローカルフードサイクリング(LFCコンポスト)のコミュニティコンポストも登場しました。一般的にはおしゃれなバッグ型コンポストの販売会社というイメージかと思います(私も使っています)。もともとは地元、博多でのコミュニティコンポストの運営が下地にあり、私はそちらの地に足がついた活動についてもっと知りたいし、知られるべきだと思っています。

www.jun-namaken.com

 

この他にも日本各地にさまざまな形で食にまつわる人々が登場します。行く先々で一緒に料理を作り一緒に食べた人々に、主演で監督のダーヴィドさんが必ずする質問があります。「あなたにとってMOTTAINAIとは?」

わたしにとってのMOTTAINAIは何だろう・・映画を見終わってしばらく考えていました。映画の中で、ダーヴィドの通訳兼料理助手を務めていたニキさんは、価値あるものを手放してしまうことじゃないかな?例えばチャンスとかも。。と言っていました。

 

確かに、確かにそうなんだけど。。

 

映画の最後に流れた歌に「そもそもごみなんてない」という歌詞がありました。

その言葉にとても惹かれました。私が今取り組んでいるコンポスト生ごみ堆肥化技術は、ごみを資源に変える技術です。ごみがごみでなくなってしまう。現代の錬金術です(笑)。

 

でも、それだけじゃないんだよなぁという気持ちが残りました。うまく言葉にできなくてしばらく時間がかかりましたが、わたしにとっての「もったいない」は「食の不均衡」だと思い当たりました。

ある場所には豊かに満ち溢れて捨てるほどあるのに、ある場所では餓死する人がいる。

日本は豊かな国を言われているのに、都会の中で飢えで苦しんでいる人がいる。大人も子供も。幼い子供を抱えた母親や、老々介護などの発信力を持たない人たちが見過ごされている。本当に悲しいニュースがあります。

わたしにとっての「もったいない」は「食の不均衡」。映画『もったいないキッチン』のおかげでこの答えが導き出せました。とても良い機会を頂いたと思います。

この上映会の企画者は、私も参加している鴨志田農園さんのCSA会員の方でした。映画上映の後には鴨志田さんによるサーキュラーエコノミー型CSAの紹介や、会場となった探求学舎さんに通う中学生と大手スーパーが共に取り組むSDGsプロジェクトの発表、同じテーブル同士での感想の共有と発表などが行われるなど盛りだくさんの内容でした。皆さん、どうもありがとうございました!

この後、余談に続きます。